ひだりには何がある?
筒井康隆 「愛のひだりがわ」 (新潮文庫)
これは、たまーに筒井先生がお書き遊ばすJuvenile風。筒井さん、表向きは十代の読者を想定した小説のような顔をして、実は・・・という小説、いくつか書いておられます。
物語は愛ちゃんという少女のモノローグで進みます。12歳の愛ちゃんの大冒険。父を尋ねて三千里です。母親が死んだところから始まる物語なので、愛ちゃんが探すのは父というわけ。治安は悪く、人々の心は荒み、母親の残したお金は取られてしまい、でも犬の言葉が分かる愛ちゃんは一人ぼっちではありません。空色の髪のサトル、ご隠居さん、歌子さん、志津恵さん、さまざまな人との出会いのなかで、愛ちゃんはどんどん強くなる。父親を見つけたのは、旅の出発点となった故郷の町でした。愛ちゃんは、きっぱりと父親を捨て、また町を出て行く。
ぐいぐい引っ張られるように、読み進みました。面白いです。文体も、愛ちゃんの年齢にふさわしい。ただ、愛ちゃんの新たな出発に、カタルシスが感じられないのです。それほどに、愛ちゃんの住む世の中は殺伐としています。町を一歩出ると、荒れ果て、砂埃が舞い…その風景こそが、筒井さんの描きたかったものかもしれません。
大学生の頃から筒井さんの小説を読み始めて、何年になるのでしょう。実は、ワタクシ、何を隠そう、筒井作品の文庫本は全部持っている、筒井オタクなのでした。
これは、たまーに筒井先生がお書き遊ばすJuvenile風。筒井さん、表向きは十代の読者を想定した小説のような顔をして、実は・・・という小説、いくつか書いておられます。
物語は愛ちゃんという少女のモノローグで進みます。12歳の愛ちゃんの大冒険。父を尋ねて三千里です。母親が死んだところから始まる物語なので、愛ちゃんが探すのは父というわけ。治安は悪く、人々の心は荒み、母親の残したお金は取られてしまい、でも犬の言葉が分かる愛ちゃんは一人ぼっちではありません。空色の髪のサトル、ご隠居さん、歌子さん、志津恵さん、さまざまな人との出会いのなかで、愛ちゃんはどんどん強くなる。父親を見つけたのは、旅の出発点となった故郷の町でした。愛ちゃんは、きっぱりと父親を捨て、また町を出て行く。
ぐいぐい引っ張られるように、読み進みました。面白いです。文体も、愛ちゃんの年齢にふさわしい。ただ、愛ちゃんの新たな出発に、カタルシスが感じられないのです。それほどに、愛ちゃんの住む世の中は殺伐としています。町を一歩出ると、荒れ果て、砂埃が舞い…その風景こそが、筒井さんの描きたかったものかもしれません。
大学生の頃から筒井さんの小説を読み始めて、何年になるのでしょう。実は、ワタクシ、何を隠そう、筒井作品の文庫本は全部持っている、筒井オタクなのでした。
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