フィールドの向こうに人生は見えるのか
3月21日 木村元彦 「オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える」 (集英社)
オシム監督は、今、Jリーグで一番サッカーの醍醐味を味あわせてくれる監督さんです。前から気になってはいたのですが・・・読み始めたとたん、面白くて、もう一気に最後まで読みました。
ひとつのチームを10人の監督に託したら、おそらく10通りのサッカーが繰り広げられることでしょう。攻撃こそ最大の防御と遮二無二攻めの形を作ろうとする監督、まずは守りを固めてとばかりにがっちりとゴール前を固めてカウンター狙いの戦術を取る監督、美しいサッカーを目指す監督、勝つためのサッカーに徹する監督・・・そうそう、トルシエさんのフラット3は、スタジアムで見ている分にはきれいでしたよ。
オシム監督の故郷は、ボスニアなのだそうです。こないだ日本代表を相手に、真剣勝負を挑んでくれたありがたい国。オシムさんが、「手を抜くな」と言ってくださったのでしょうか。崩壊寸前の旧ユーゴ代表を率いた「最後の」ユーゴスラビア代表監督。内戦によって、オシムさんのキャリアは中断を余儀なくされ、また家族離散の憂き目にもあってしまいました。この時代ストイコビッチをはじめとしてユーゴには本当に素晴らしい選手が大勢いたけれど、彼らを率いた監督もまた、素晴らしい監督だったというのに・・・内戦なかりせば、どんなにスペクタクルなサッカーが見られたのかと思うと、残念です。
JEFは、つまんないチームでしたけど、オシム監督に鍛えられて、本当にいいサッカーをするようになりました。選手一人一人が、全力で頑張る姿勢がいいですね。一生懸命走ることを基本にすえたJEFのサッカーは、おそらくサッカーができる幸せを表現するためにオシム監督が見つけた最良の方法なのかもしれません。
サッカーファンにも、東欧の現代史に興味のある人にも、面白い本だと思いますけど。
2006/03/22 23:15 | 本 | COMMENT(0) | TRACKBACK(0) TOP


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