魔法のコトバ

汽車にのって
あいるらんどのような田舎に行こう
ひとびとが祭りの日傘をくるくるまわし
陽が照りながら雨のふる
あいるらんどのような田舎に行こう


丸山薫の詩の一説です。
「あいるらんどのような田舎に行こう」とはまさに魔法のコトバ。この詩を初めて読んだのは中学生の時だったと記憶していますが、以来ウン十年、あいるらんどは私を手招きし続けています。(そんな気がしています。)

アイルランドは、行きたいのに未だに行き損ねている国の一つですが、いずれ時至れば、私たちはリバプールから船で渡るのです!

製作:ニール・ジョーダン、監督:ジョン・クローリー
ダブリン上等!」 (DVD)


原題はIntermission。幕間とか、休憩時間とか、まぁそんな意味ですが、「ダブリン上等!」とはずいぶんひねった邦題をつけたものです。「舶来上等!」の流れだったのでしょうかね。というより、不良たちが「おめ〜ら、上等じゃねぇかよぉ」と凄んでいるとでもいう感じにちかいんですけど・・・。
ま、いいんですけどね。

石を投げてバスの窓を割り、そのバスを転覆させてしまう悪ガキ。落ちこぼれ(+一歩手前)たちの起こす誘拐事件。目立ちたがりの刑事と一発当てたいTVマン。彼らとかかわりのある女たち・・・恋人から別れを告げられた途端に、ハゲ中年の銀行家に走った女、うっすらと生えた口髭を剃ろうともしないその妹、銀行家のDV妻・・・。どこにでも居そうな男たちより、女たちの個性の方が強烈です。

いくつかのエピソードが細切れにつながって、最後はなんとなく一応ハッピーエンド風にまとまっていますが、この映画、キリアン・マーフィーのおかげで、ここまでまとまったような気がします。恋人の心を試そうとする気の小さい男。腹いせに、彼女を人質に一攫千金を狙う仲間に入るものの、バレないようにと仲間とも筆談をしたり(筆跡でもわかるぞ!)、彼女には手を出すな、怪我をさせるな、と案じてみたり、とにかく気持ちも行動も一貫しません。この地に足のついていない男を、キリアン・マーフィーは空気のようにふわふわと演じています。重くない存在感、とでもいうべきか。

好きだなぁ、キリアン・マーフィー。すごい俳優さん。
私にはそれで十分でしたが、あいるらんどと言えど、もはやのどかな田舎でないことだけは確かなようです。


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CATEGORY : 映画 | THEMA : DVDで見た映画 | GENRE : 映画 |

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