読書計画

バタバタとしています。何年振りかで休日出勤までいたしました。アタマも目もついていけず、梅雨空のような精神状態。よせばいいのに、本ばかり買い込んでいます。あ、これ読まなきゃ。お、これは面白そう、と無駄遣いの日々。ツンドク状態はひどくなる一方です。

電車の中は、いまや読書室とは言えなくなりました。どちらかといえば、仮眠室。よほどモノ欲しそうな顔をして座りたいオーラを出しているらしく、どう見ても同年代の女性から席を譲られて、ありがたいやら情けないやら・・・

とりあえず、最後まで読んだ本は1冊だけ。

レスリー・アドキンズ、ロイ・アドキンズ 「ロゼッタストーン解読」 (新潮文庫)

ナポレオンのエジプト遠征から、シャンポリオンのヒエログリフ解読に至るまでの、ノンフィクション。ヒエログリフは、アヒルの絵文字があったり犬の絵文字があったり、絵画そのもののように見えますが、じつは文字なのです。表意文字であると同時に表音文字であることを見抜き、ギリシア文字でつづられた人名を手掛かりにヒエログリフのアルファベットを発見したのが、エジプトの言葉であるコプト語に堪能だったシャンポリオンだったというのは、当然の帰結でした。

シャンポリオンの功績は、ヒエログリフの解読にとどまらず、苦労しながらエジプトの現地調査を行い、エジプト学の体系を示したところにあるように思います。

そういうことがよくわかって、とてもお勉強になる本なのですが、ヒエログリフそのものの発音や意味は、全く頭に残りませんでした。記憶力の減退?いえ、ワタクシ、ちょっとヤバいんじゃないかしら、海馬が・・・

さて、現在塩漬け状態なのは、井上ひさしの日本語関連数冊、外国もの(クレストブックスなど)が十指に余るほど、そして、日本語の小説も数冊。1か月くらい、本屋には近づかない誓いを立てようかと考えています。Amazonにも、何の故障かはいざ知らず、1週間に1回くらいしかアクセスできない日々が続いていますので、ちょうどいいかもしれません。ほら、ご利用は計画的に、なんてサラ金の広告も言ってるじゃありませんか。まったくのところ。

2008/06/29 23:06 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

アメニモマケズ

W杯3次予選 日本vsバーレーン @埼玉国際

一度今の代表の試合を見ておきたいな、と思ったこともあり、「見に行きます」と言っている会社の若い男の子がいたこともあり、埼玉まで出かけてきました。同じ方向なので、「迎えに行きますよ」(当然、お送りしますよ)と、東川口までの往復送迎付き。フットワークの軽い若い子は有難いこと!

今日は、本田圭佑クンが先発らしいというので、ちょっと期待してみていました。彼、野武士のような面構えで、プレーも力強くて、ちょっと面白そうじゃありませんか。
ただ、前の方、FWとMFのポジショニングが整理されていなくて、ごちゃごちゃしてしまいましたね。ケースケくんも今ひとつ。写真は、ケースケくんが失敗したFKの模様です。

FK  FK失敗


今の代表は、「チーム俊輔」のようですが、今日は彼の日ではなかったみたい。PK外し、FK外し・・・まぁ、そんな日があっても仕方がない。
前半は、攻め込んでいたんですけれどね。寿人に合わず。玉田クンも、一瞬の切れがなく…
MF、足の速い選手がいなくて大丈夫なのでしょうか?

そんな中でよかったことは、内田クンの完全復調かな。効率のよいプレーぶりでした。彼のプレーを見ていると、センスがいいなぁと思います。がむしゃらじゃないんだけれど、節目節目でのディフェンスが効いています。おまけの初ゴールもありました。
それと、中村憲剛くんの粘り強いプレーも、見ていて安心できます。彼は、危機管理能力が高い。

さて、次は最終予選です。チーム俊輔は、アジアレベルなら勝てるんですけどね。次も勝ち抜いて本戦にまでたどり着けるかどうか、一抹の不安がよぎります。


2008/06/22 23:58 | サッカーCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

ネコの写真

猫ちゃんの写真はとても難しい。カメラを向けるとわざと動くこともあるし、いいお顔してる時にかぎって背景に部屋のごちゃごちゃが写りこんでしまうし・・・
でも、懲りずに写真を撮り続けています。お教室にも通いましたが、ちっとも上達しません。それに我が家の場合、被写体のネコムスコに年齢からくる衰えが、ちらちらと見え始めています。

あぁ、子猫の頃、もっとたくさん撮っておけばよかった。でも、その頃はデジカメなんかなかったし・・・あっても高根の花?

口を開けば愚痴ばかり。

代わりに、と言ってはナンですが、写真教室の先生の新刊をご紹介。

板東寛司 「寝ん猫」 (文春文庫プラス)

子猫ちゃんが中心です。まぁ、よく寝ていること・・・あどけない。しどけない。頑是ない・・・板東先生のサイト「風呂猫」のブログもどうぞ、ごらんください。

私の猫写真はお目汚し。先生の写真は眼福。
日暮れて道遠し、の心境でございます。

2008/06/18 23:02 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

魔法のコトバ

汽車にのって
あいるらんどのような田舎に行こう
ひとびとが祭りの日傘をくるくるまわし
陽が照りながら雨のふる
あいるらんどのような田舎に行こう


丸山薫の詩の一説です。
「あいるらんどのような田舎に行こう」とはまさに魔法のコトバ。この詩を初めて読んだのは中学生の時だったと記憶していますが、以来ウン十年、あいるらんどは私を手招きし続けています。(そんな気がしています。)

アイルランドは、行きたいのに未だに行き損ねている国の一つですが、いずれ時至れば、私たちはリバプールから船で渡るのです!

製作:ニール・ジョーダン、監督:ジョン・クローリー
ダブリン上等!」 (DVD)


原題はIntermission。幕間とか、休憩時間とか、まぁそんな意味ですが、「ダブリン上等!」とはずいぶんひねった邦題をつけたものです。「舶来上等!」の流れだったのでしょうかね。というより、不良たちが「おめ〜ら、上等じゃねぇかよぉ」と凄んでいるとでもいう感じにちかいんですけど・・・。
ま、いいんですけどね。

石を投げてバスの窓を割り、そのバスを転覆させてしまう悪ガキ。落ちこぼれ(+一歩手前)たちの起こす誘拐事件。目立ちたがりの刑事と一発当てたいTVマン。彼らとかかわりのある女たち・・・恋人から別れを告げられた途端に、ハゲ中年の銀行家に走った女、うっすらと生えた口髭を剃ろうともしないその妹、銀行家のDV妻・・・。どこにでも居そうな男たちより、女たちの個性の方が強烈です。

いくつかのエピソードが細切れにつながって、最後はなんとなく一応ハッピーエンド風にまとまっていますが、この映画、キリアン・マーフィーのおかげで、ここまでまとまったような気がします。恋人の心を試そうとする気の小さい男。腹いせに、彼女を人質に一攫千金を狙う仲間に入るものの、バレないようにと仲間とも筆談をしたり(筆跡でもわかるぞ!)、彼女には手を出すな、怪我をさせるな、と案じてみたり、とにかく気持ちも行動も一貫しません。この地に足のついていない男を、キリアン・マーフィーは空気のようにふわふわと演じています。重くない存在感、とでもいうべきか。

好きだなぁ、キリアン・マーフィー。すごい俳優さん。
私にはそれで十分でしたが、あいるらんどと言えど、もはやのどかな田舎でないことだけは確かなようです。


タグ : キリアン・マーフィー

2008/06/17 23:59 | 映画COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

梅雨は中休み

この数日、湿度が低くて過しやすいのがうれしい。それに、この2週間ほどかかりっきりだった仕事が一段落して、気持も楽になったか・・・流石に昨日は、頭が飽和状態で言葉が口から出ず、何も考えられず、イライラが募るばかり、という感じでしたが、今日はずいぶんと良い状態に戻りつつあるのを感じます。

父の日ですが、実家には行きません。
なんてったって、今日は気持ちの良いお天気!洗濯物をベランダに干して、窓を開け放して、外でお父さんやお母さんと遊ぶ小さな子供たちの声を聞きながら、ゆっくり過ごすのは、精神衛生上とても好ましい。
お天気さえよければ、日が長い6月は、本当に素敵な月。

忙しい時には、変な本に手が出ます。混雑した電車の中で、Printsという季刊誌の四谷シモン特集号を眺めていたら、後ろに立っていた背の高い青年が覗き込んでいました。私、変なおばさんと思われたかしらねぇ。

活字をちゃんと読んだのはこれ。

レベッカ・ブラウン 「家庭の医学」 (朝日文庫)

柴田元幸さんの訳。脚色された部分もあるのだとは思いますが、基本的には、癌に冒された母親を看取った介護の記録、とでもいうべきものでしょうか・・・
私は、癌というのは、死と向かい合い準備をする時間が与えられるという意味で、ことに高齢者の場合には本人にとっても周りにとっても、そんなに悲観すべき病気ではないのではないかと思っていました。でも、実際には、やはりきれい事では済まないのですね。
それぞれの章には家庭医学事典の項目が付けられています。「貧血」「薄暮睡眠」「転移」からはじまり、「睡眠恐怖症」「モルヒネ」「幻視」「幻覚」と病勢が進み終末が近づいてくると、読み進むのに、喉に刺さった小骨を飲み込むような、なんともつらい思いをしました。

でも、私はこの本を読んでよかったと思います。そして、娘にも読ませておきたい。(ただ、両親には読ませませんが。)
書いてくれたレベッカ・ブラウンに感謝、です。

2008/06/15 22:56 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

梅雨入り

この5月は、本当に雨が多かったですね。で、6月に入ったとたんに梅雨入り。気持も滅入ります。だいたいねぇ、濡れてもいい洋服、濡れてもいい靴・・・そんなことを考えながら、雨が降っている日に働きに出かけていくには、たいそうな勇気と義務感と、まぁ、その他もろもろ引っ掻き集める必要があるのですよ。

実は仕事が忙しいのです。休めません。電車の中でも眠りこけています。本を読む時間がないのはつらいのですが・・・

池澤夏樹 「星に降る雪/修道院」 (角川書店)

ちょっと変わった本です。収録した中篇2作品の題名を並べて書名にしてあるというもの。

星に降る雪」は、カミオカンデと思しき山奥の施設で働く青年のお話です。雪崩にあって友人をなくした青年のところに、亡くなった友人の恋人が訪ねてきて…
ごめんなさい、なんだかあんまりおもしろくなかった。よくある設定。よくある展開。青年は雪崩に襲われた時、異界を見たというのです。そして星からのメッセージを待ち続けています。一方、元恋人は、地上の冒険しか信じていません。そんな二人が一夜を共にする。でも、分かりあえるわけがないのです。お互いが異界?

一方の、「修道院」は、稀にみる佳作ではないかと思うのですが・・・
まぁね、好みの問題とも言えます。でも、はるかに緻密に物語が組み立てられています。

夏休みをクレタ島の貸別荘で過ごすことにした「私」は、廃墟になった修道院を見つけます。壁に埋め込まれた銘板をもっとよく見ようとして怪我をした「私」は、宿泊することになった宿屋で、その銘板「ミルトスのために」にまつわる話を、宿屋の老女エレニから聞くことになりました。50年前、どこからかふらりとやってきた石工のミノスは、エレニの家に泊まり、修道院の修復を始めます。謎めいた暮らしぶりに興味をもったエレニと弟は、ミノスの手伝いをするうちに、ミノスから「自分は魂に重い荷を負っている」と聞きます。彼は、クレタに来る前に、女をめぐる争いで友人のミルトスを死に至らしめていたのです。ミノスが聖体拝受を受けず、たったひとりで修道院の修復をしていたのは、その贖罪のためでした。エレニと弟は、ミノスが作業をしながら誰かと対話しているのを聞きます。ミルトスの霊が「百回のおミサ」を求め続けていたのです。やがて都会から、恋人だった美しい女がやって来て、ミノスの贖罪の暮らしは終わりを迎えてしまいます。

エレニが語るミノスの物語は、まるで良質の推理小説のように、読み手を引きつけて離さず、終幕の悲劇へと導いていきます。幼馴染と恋人と、二人を手にかけてしまったミノスは、いったいどうやって罪を贖うのでしょう・・・ミノスは去り、エレニはその後彼の消息を聞くことはありませんでした・・・

クレタには、一度だけ行ったことがあります。夏、焼けつくような陽射しの下、乾いた風を感じながら訪れたクノッソスの宮殿を思い出しながら、これはまた、クレタに似つかわしい物語ではないかとぼんやり考えていました。

タグ : 池澤夏樹

2008/06/07 23:26 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

まっとうな人、まっとうな考え方

このところ、仕事が忙しいので、真面目に生きております。正確には、ふらふらと飲み歩く元気が残っていない。誘ってくれる人がいないという噂もありますが、それはさておき・・・読んでいる本も、とても真面目な内容のものばかりでございます。

後藤正治 「ベラ・チャスラフスカ 最も美しく」 (文春文庫)

どのくらいの人が、東京オリンピックを覚えているのでしょう?
小学生なら覚えているとして、1964年に7歳ということは、1957年生まれ。きゃぁ〜、50歳以上なんですね。なんてことでしょう。

私が覚えているのは、陸上100Mのボブ・ヘイズ、棒高跳びのハンセンvsラインハルトの死闘、水泳のドン・ショランダー、それに東洋の魔女のキャプテン河西昌枝など。日本がやたらと強かったのがレスリングと男子の体操でした。そして、本当にきれいだなぁと思ったのが、女子体操のベラ・チャスラフスカ。この本は、同時代に生きたチェコの人々、交流のあった日本や好敵手ロシアの体操界の人々などに丹念な取材を行いインタビューを繰り返す中で、チャスラフスカの人となりや生き様を浮かび上がらせたものです。

プラハの春。1968年、彼女の祖国チェコスロバキアは、短いプラハの春のあと、ソ連軍の侵略を受けました。そのような状況の中で、出場もあやぶまれたメキシコオリンピックでしたが、チャスラフスカは、二連覇を遂げます。そして、メキシコで同じチェコの陸上選手と結婚。しかし、帰国後、二千語宣言への署名撤回を拒んだチャスラフスカは、その後苦難の日々を歩むことになります。

プラハの春とその後の暗黒時代を知る上でも、とても為になる本。


高村薫 「作家的時評集 2000-2007」 (朝日文庫)

上記の後藤さんは1946年生まれですが、高村さんは1953年の生まれ。団塊の世代にはカウントされませんが、私とはほぼ同世代といって差し支えないでしょう…
2000年から、高村さんが新聞、雑誌などに発表した時評を集めたものです。まずその年の主な出来事が年表スタイルで記載されており、高村さんの時評が時系列的に続きます。これはとてもわかりやすいスタイル。

高村さんは、繰り返し「選挙に行こう」と呼びかけます。小泉元首相の語法を分析し、その政治を批判します。「物書き」として言葉にこだわり、考える道具と論理を失いつつある同時代人に、警鐘を鳴らします。

高村さんが述べているのはとてもまっとうな意見ばかりです。思い込みや論理の飛躍は見られません。小説家・高村薫を私は高く評価するものですが、言葉にこだわり、言葉から時代を読み解こうとする姿勢も素晴らしい。この国の未来は決して明るくないのだけれど、あきらめずに「物書き」として発言を続ける姿勢に、きっぱりとした女の強さを感じます。

感性ばかりがもてはやされてはいけないのです。


2008/06/02 23:50 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

 | BLOG TOP |