先日もこのブログに取り上げた書評家「狐」こと山村修さんは、長く大学に勤務の傍ら、書評を書き続けてきた方です。新潮文庫の著者紹介がいい。
山村修
1950(昭和25)年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒。私学職員を務めながら、読書と文筆にいそしむ。
どなたが書かれたものやら存じませんが、「いそしむ」って、ねぇ。いそいそわくわく、って感じがして好きです。
山村修 「気晴らしの発見」 (新潮文庫)
山村修 「書評家<狐>の読書遺産」 (文春新書)「気晴らしの・・・」の方は、ジャンルわけをするとエッセイということになるのでしょうが、なかなか示唆に富んだ本です。山村さんは、ある日突然、不眠に襲われます。寝付けないのではなく、
早朝覚醒。睡眠が足りないことで、疲労がどんどんたまっていくと、
いかにも病気であるかのような日々を送ることになります。うんうん、このあたりはよ〜く分かります。ワタクシ、いつもどこかに痛みや不具合を自覚していますもの。
山村さんの話は、ストレスからコレステロールへと進みます。気晴らしができた日にはコレステロールが下がっていくのを感じて、気晴らしの演習を説く。そういう筋立てになっています。イッセー尾形の一人芝居の演出を手がける森田雄三さんのワークショップ体験にも触れていますが、このワークショップ、なかなかに興味深いものです。
とにかく、名文です。気が晴れるということは、心に
青空が浮かぶこと。いつものように電車の中で読んでいて、「おおっ」とココロがざわつくのを感じました。不快や不安でざわつくのではなく、もっと気持ちのよいざわつき・・・おかげさまで私も気晴らしができました、というような。
「・・・読書遺産」のほうは、『文學界』に連載された「文庫本を求めて」をまとめたもの。読んでみようと思える作品がいくつも取り上げられています。山村さんの読書の幅広さと深さに引き比べ、自分の読み方はなんと偏りいい加減であることかと反省。忸怩たる思いがあります。
覆面を脱ぎ捨てて、ご自分の名前で著作を出し始められたばかりだというのに、昨年、癌で他界されました。もっと
狐さんの本の世界に、遊んでみたかったんですけれど。
2007/03/17 13:43 |
本
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