名前

忘年会企画が粛々と進む時期になりました。忙しかったこの一年が無事に越せるように、しっかり飲まなきゃね。メタボなんかには負けていられません。

しかし・・・寒くなりましたねぇ。天気予報によれば、今年の12月、西日本は特に寒いんですと。西が寒いんじゃ、東も暖かいわけはないでしょう。でも、インドからNYへ行った人に比べれば、どうってことない?

ミーラー・ナーイル監督 「その名にちなんで」 (DVD)

映画の前評判も高かったので、かなり期待していたのですが、あえて言わせていただきます。原作の方がはるかに優れています。原作と映画は別物だから、とかそういうレベルの話ではありません。
(ご参考までに、何年か前に原作を読んだ時の感想です。)

ベンガル人の結婚式やお葬式などの風習などは、たしかに映像の方がよく分かります。でも、「その名」を与えた両親の思いや、与えられたゴーゴリの思いが、きちんと描き出されているとは言い難いという気がします。

監督も脚色もキャスティングも女性。別に女性が作った映画だから…というわけではないのでしょうが、ディテールにこだわりすぎて、芯がなくなったのかもしれない。たとえば、お葬式のシーン、ベンガル人の衣装は白。その中に一人だけ、黒のドレスで現れたゴーゴリのガールフレンドとくれば、二人がうまくいかないのは明白です。どんな説明よりも、白と黒の対比が雄弁で、その後のシーンも言葉もなんにもいらない。

でも、原作を読んだことがなくて、この映画だけを見た人は、母親のアシマの話だと思うことでしょう。父と息子の思いを掘り下げていかなければ、ジュンパ・ラヒリの深い思いには思いが届かず、薄っぺらな比較文化のおはなしで終わってしまうのではありませんか?

そこそこいい映画ではあります。(でも、物足りない・・・)
やっぱり、映画って難しいですねぇ。

2008/11/25 23:50 | 映画COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

11月の雨

雨が降るので、今日は家事放棄。だって、気持も沈むんだもん。だから、ネコムスコと一緒にゴロゴロとしていました。ゴロゴロのお伴は、DVDです。

ジョー・ライト監督 「つぐない

「プライドと偏見」の監督が、第2次世界大戦の頃を舞台にしたこの作品を映画化しました。原作は、イアン・マキューアン。とても技巧的な作品です。映画も随分と評判になり、今年のアカデミー賞には何部門にもノミネートされていました。(いくつか取れましたっけ?)

13歳の女の子の思い込みからでた偽りの証言によって、姉と使用人の息子の恋は引き裂かれてしまいます。成長して、真実が理解できるようになった妹は、いったいどうやって罪を償ったのか・・・

主題は重たいんですけれど、それを見事に、古き良き時代のイギリスの雰囲気をたっぷりと感じさせる映画に仕立てあげています。原作で延々と続くノルマンディの描写は、カメラを長回しして見せる。なるほどねぇ、そういう手があったか!

キーラ・ナイトレイがとてもきれいでした。とろとろ眠りながら見ていたので、元気な時にまた見直します。


サム・ガルバルスキ監督 「やわらかい手 

かわいい孫の医療費を稼ぐために、どんな接客をするのかも知らずに、風俗ショップの求人広告に応募するマギー。ところが、彼女のはロンドン一といえるほど、男にとって素晴らしい滑らかさを持っていました。あっというまに、彼女の小部屋の前には長蛇の列ができるほどの売れっ子になりました。差し出された大金の出所を怪しんだ息子は、マギーの仕事を探り出し、激怒します。でも嫁はマギーの愛情を素直に受け取り・・・というわけで、とてもよくできた映画です。

集まってカード遊びをする「友人」たちは、マギーの本当の友だちではなく、単に暇つぶしの相手でしかありませんでした。たとえ風俗ショップでも、マギーは自分の生きる場所を見つけたのですね。ついでに恋も。

ハリウッド式大作は、このごろCGばかりでつまらまい。それだけが理由じゃないけれど、うん、私はやっぱりヨーロッパ映画の方が好きだ。

2008/11/16 23:47 | 映画COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

映画って難しい

木村威夫監督 「夢のまにまに

週明けに、ムスメが試写会のチケットを入手してきたので、見に行ってきました。だって、長年、映画の美術監督として活躍してきた方が、90歳を迎えて監督デビューを飾った作品ですよ。ちょっと、そそられるものがあるじゃありませんか。それに、長門裕之、有馬稲子、井上芳雄、宮沢りえ、永瀬正敏、上原多香子、桃井かおりなどなど、出演陣も豪華です。

木村監督ご本人の分身である木室は、映画学校の校長先生。若い学生たちと、ことに精神を病んだ村上大輔と交流していく中で、木室には、自分の若い頃のことが思い出されてなりません。木室の青春時代は、生と死が背中合わせになった戦争の時代でもありました。戦時中から戦後すぐにかけての経験が、木室の一生を決めました。彼は、今、体の不自由な妻を介護しつつ暮らす、「できた」老人です。学校への道の途中に、幹にごつごつとしたコブをもつ大きな木があります。その木もまた、木室の思いを過去へと誘うものでした。空襲のさなか、木室と妻が出会った木なのか、似ているだけなのか・・・老夫婦二人と通いのお手伝いさんの暮らしには、時折さざ波は立つものの、淡々と進んでいきますが、若い村上の病状はどんどん悪化し、ついに帰らぬ人となります。

知覧の特攻平和会館や、無言館が登場します。木室の若い日、大勢の若者が戦場に駆り立てられていき、あたら命を落としました。妻のエミ子も、出征して戦死したいいなずけ(なのでしょう)の写真を捨てられずにいます。エミ子は始終「戦争はいや」と呟いています。

若さと老い、生と死。若い村上が死に、老いた木室夫妻はまだまだ生き続けるというパラドックス。監督の気持ちはわかるのですが、そういう対比が図式的に過ぎるように感じました。冒頭の、木室夫妻の朝のシーン、妻をいたわり食事の支度をする木室の姿は胸を突かれますが、ともに生きてきた60年の歴史があったからこその老夫婦の姿です。それなのに、木室夫妻のエピソードは、現在過去の一時点の2つの時代しか描かれていないため、物語に厚みがでないのです。

でも、いい加減に生きているいまどきの若者たちには、ぜひ見てもらいたい映画だと思いました。見てくれるかなぁ。

さすがに、映像はきれいです。映画学校のさまざまな授業風景の積み重ねは、実にさまざまな分野で多くの人々に支えられて一本の映画が出来上がることを示しています。長年裏方を務めてこられた木村監督の映画への愛を感じました。鈴木清順監督の出演は、ご祝儀かな。

映画って、難しいですね。

2008/10/11 18:47 | 映画COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

魔法のコトバ

汽車にのって
あいるらんどのような田舎に行こう
ひとびとが祭りの日傘をくるくるまわし
陽が照りながら雨のふる
あいるらんどのような田舎に行こう


丸山薫の詩の一説です。
「あいるらんどのような田舎に行こう」とはまさに魔法のコトバ。この詩を初めて読んだのは中学生の時だったと記憶していますが、以来ウン十年、あいるらんどは私を手招きし続けています。(そんな気がしています。)

アイルランドは、行きたいのに未だに行き損ねている国の一つですが、いずれ時至れば、私たちはリバプールから船で渡るのです!

製作:ニール・ジョーダン、監督:ジョン・クローリー
ダブリン上等!」 (DVD)


原題はIntermission。幕間とか、休憩時間とか、まぁそんな意味ですが、「ダブリン上等!」とはずいぶんひねった邦題をつけたものです。「舶来上等!」の流れだったのでしょうかね。というより、不良たちが「おめ〜ら、上等じゃねぇかよぉ」と凄んでいるとでもいう感じにちかいんですけど・・・。
ま、いいんですけどね。

石を投げてバスの窓を割り、そのバスを転覆させてしまう悪ガキ。落ちこぼれ(+一歩手前)たちの起こす誘拐事件。目立ちたがりの刑事と一発当てたいTVマン。彼らとかかわりのある女たち・・・恋人から別れを告げられた途端に、ハゲ中年の銀行家に走った女、うっすらと生えた口髭を剃ろうともしないその妹、銀行家のDV妻・・・。どこにでも居そうな男たちより、女たちの個性の方が強烈です。

いくつかのエピソードが細切れにつながって、最後はなんとなく一応ハッピーエンド風にまとまっていますが、この映画、キリアン・マーフィーのおかげで、ここまでまとまったような気がします。恋人の心を試そうとする気の小さい男。腹いせに、彼女を人質に一攫千金を狙う仲間に入るものの、バレないようにと仲間とも筆談をしたり(筆跡でもわかるぞ!)、彼女には手を出すな、怪我をさせるな、と案じてみたり、とにかく気持ちも行動も一貫しません。この地に足のついていない男を、キリアン・マーフィーは空気のようにふわふわと演じています。重くない存在感、とでもいうべきか。

好きだなぁ、キリアン・マーフィー。すごい俳優さん。
私にはそれで十分でしたが、あいるらんどと言えど、もはやのどかな田舎でないことだけは確かなようです。


タグ : キリアン・マーフィー

2008/06/17 23:59 | 映画COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

もうすぐ春ですね

ぼんやりとしているうちに、Valentine Dayが過ぎ、222(ニャンニャンニャン)の猫の日が過ぎ、日足もすっかり長くなったと思ったら、猛烈な春一番が吹き荒れました。

実は、昨日、渋谷まで出かける用事があったのですが、JR動かず、あきらめて駅前で一週間分の食料のまとめ買いをして帰ってきてしまいました。「荒川橋梁の風速計が基準値を超えました」とのことで、運転再開してもすぐに電車に乗るのはちょっと怖いですよね。

堤幸彦監督 「包帯クラブ」 (DVD)

天童荒太さんの原作も、私はとても気に入っています。たしか2年前の春に読んだような気がします。それが、柳楽優弥くんの主演で映画になりました。たまたま映画のさわりがTVで紹介されているのを見て、これは何度か見るな、とDVDをゲット。Amazonで、ディスカウントされていましたし、二人で見れば、何回も見れば、映画館に見に行くよりも安い。

日本映画って、出来が良くてもこんなもんかなぁという感じ。ストップモーションとか、甘ったるい音楽とか、あんまり好きじゃない。でも、全然悪くないですよ。直球勝負です。特に主役の二人、石原さとみと柳楽優弥がとてもいい。柳楽クンは一皮むけました。

心の傷は、どうすれば癒されるのか。若い人に見てほしい映画です。もちろん、トシヨリの鑑賞にも十分に耐えうる仕上がりですが。


2008/02/24 23:57 | 映画COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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